着物は洋服と違い長さがありますし厚みも異なるので、しまう時にはしわにならないようにしたいものです。
どんなしまい方をすればしわにならないか?
しわが寄らないしまい方や、しわが寄ってしまった時の対処法もご紹介していきます!
着物をしまう前にまず汚れチェック!必要に応じてクリーニングが重要
着物をしわが寄らないようにしまうのって、なんだか難しそうですよね?
着物を上手にしまうにはまず、しまう前のお手入れに気を付けなければいけません。
襟や袖口、着物の裾など汚れがないか、シミがないかなどをチェックします。
特に、振袖は袖が長いので袖底が地面にこすれて汚れていたりします!要チェックです!
シミや汚れがひどいものは、しまう前に一度、クリーニングに出すことをおすすめします。
帯や着物の下に着る長じゅばんなども同様に一度、目視でしっかり汚れをチェックしましょう♪汚れが落としきれなかったり、汚れの落とし方がわからないなどの場合は、無理をせずクリーニングに出す方が着物を傷めないですみます。
そして、着物が綺麗になったところで改めて綺麗に上手にしまいたいものです。
クリーニングから返って来た着物は、たいていはクリーニングのビニールに入ってたたまれて返ってくると思いますが、できれば一度ビニールから出して着物を広げてみたほうがいいです。
きちんと汚れが落ちているかチェックするためでもありますが、クリーニングしたままの着物って、汚れを落とすために特殊な薬剤でスプレーしたり、しわを伸ばすために強力なスチームなどが掛けられています。
クリーニングの様子が見られるお店などで、かなりの湯気がもわ~っと立ち込めてプレスされているのを見たことがある人も多いと思います。
そんなふうにクリーニングから返って来た衣類は着物に限らずですが、一度袋から出して衣類にこもった薬剤や湯気の湿度などから解放してあげると良いですよ。
しまう前の準備として、そこまでやってから、しわが寄らないように、しまいましょう。
着物にしわが寄らないしまい方

綺麗になった着物をいよいよしわが寄らないように上手にしまいます。
難しそうに感じる着物のしまい方ですが、洋服と違って複雑な形をしていないのでやってみると、意外と簡単だったりします。
【着物のたたみ方】
1着物を床に広げます。この時、袖も真横に綺麗に広げます。
2着物の右側の前身ごろから畳んでいきます。裾の長さも合わせて手の平でしわを伸ばすように押し広げながら畳みます。
3次に、左側の前身ごろも同じように裾の長さを合わせながら閉じます。
右と左の前身ごろがこれで綺麗に交差するように閉じられます。
この状態では、まだ両方の前身ごろが交差されただけで全体に広がったままですので、
これをさらに両方の袖の脇から裾までを2つ折りにして重ね、細長い長方形にします。
4この状態になったら、上になった方の袖を前身ごろの上に合わせます。
これで袖の幅と前身ごろの幅が同じになります。
5もう片方の袖も同じように前身ごろの上に重ねるので、着物を畳み合わせた部分の両端を持って反対側にひっくり返して、下になっていた袖を前身ごろの上に重ね合わせます。
6振袖の場合は、袖を半分に畳んで裾が肩の位置まで来るように畳みます。
この時、ものさしを使うと綺麗に畳めます。
7そして、前身ごろの裾を肩の位置まで折り、長い長方形が半分の長さになったら完了です。
あとは、着物を購入した時に着物を包んでいた「たとう紙」と呼ばれる紙を広げて、
その中に両手でそっと着物を置いて「たとう紙」を閉じます。
これで完成です。

着物にしわが寄った時の対処法

綺麗に畳んでしまったつもりでも、次にまた着物を出すとなぜかしわが寄ってしまっていたなんてことも少なからずあるものです。
これは、他の着物を取り出す時に上に置いていた着物を、「たとう紙」ごと持ち上げて脇へ寄せたりして移動させたりした時に「たとう紙」の中で着物が寄れてしまったりしていると考えられます。
それでまた他の着物をしまって上から置いたりすると、しわが寄ったままプレスされた状態になるので、次に取り出した時にかなり強めにしわが寄ってしまっていたりするのです。
このようにしわが寄ってしまった着物の対処法としては取り出した時に、すぐに着用しないで半日から1日程度ハンガーに広げて吊るしておきましょう。
軽いしわ程度なら、これである程度しわが取れる場合があります。
しかし、頑固についてしまったしわは、この程度では取れないので、こうなったらアイロンを掛けた方がいいですね。
アイロンを掛ける場合は、必ずあて布をして直接着物にアイロンしないように注意してください。
絹素材の着物には、スチームアイロンは絶対掛けないようにしましょう。
蒸気で絹が縮んだり、変色する恐れがあります。
アイロンを掛ける時は必ず目立たないところから始めて様子を見ながら掛けていきましょう。
しわの場合は、汚れと違い生地の素材や変色に注意しながら丹念にアイロンすればたいていは綺麗に仕上がるものです。
しかし、それでも取れないがんこなしわがある場合は、潔くクリーニングにお願いした方が着物のためです。
着物のプレス仕上げは、多少返ってくるまでに日数を要する場合がありますが、大体10日ほどで仕上がります。
プレス代は、生地によっても変わってきますが大体2,000円前後が相場です。
まとめ
普段着物を着なれている人でも、着物がしわにならないように上手にしまうのは神経がいるといいます。
しかし一度慣れてしまうと意外と簡単にできるので、お正月や成人式、何かの催し物などに参加するときは、その機会に一度着物を着てみるのも身が引き締まる思いがして良いと思いますよ!