生牡蠣、焼き牡蠣、蒸し牡蠣、フライと、様々な調理で美味しく食べられている牡蠣。
牡蠣には「真牡蠣」と「岩牡蠣」の2種類あります。
真牡蠣は「Rのつく月」といわれる9月~4月が旬になります。
一方、岩牡蠣は6月~8月が旬になります。
しかし現代では、厳しい検査で一定基準をクリアしている牡蠣だけが市場に出ているので、1年を通して、いつでも食べることができます。
店頭で売られている牡蠣は、「加熱用牡蠣」と「生食用牡蠣」「殻付き牡蠣」など、いろいろな形で売られています。
そんな牡蠣ですが、食べ過ぎると食中毒の恐れがあるため、調理前は必ず下処理をした方が良いとよく言われます。
では、「加熱用牡蠣」は、下処理はした方がいいのでしょうか?
加熱用牡蠣と生食用牡蠣はどんな違いがあるのでしょうか?
今回は、この2点についてご紹介していきたいと思います!
加熱用牡蠣と生食用牡蠣の違いは?
加熱用は加熱しないと食べられないとか、生食用は刺身など生でも食べられるというふうに解釈している人も多いようです。
おおむね間違いでもないのですが、実際は牡蠣が取れた海域の違いで分けられているのです。
加熱用牡蠣 生食用牡蠣 |
加熱して食べるなら、「加熱用牡蠣」にした方が美味しく食べられます!
身がいっぱい詰まって濃厚な味わいです。
まさに「海のミルク」といわれる美味しさです。
加熱用牡蠣と生食用牡蠣の特徴
必ず、押さえて頂きたいポイントは、
生で食べたかったら、「生食用」、
生で食べないのであれば、「加熱用」が美味しい!という事です。
その理由を、これから説明します。
生食用牡蠣の特徴
生食用は、保健所が指定した海域で育っており、なおかつ一定基準をクリアするまで徹底した減菌処理、殺菌処理が行われています。
そのため、牡蠣の身が痩せて水っぽくなるので、「生食用」として出しています。
「生牡蠣を食べるとあたる」という話は有名ですが、
「生食用は身が痩せて水っぽいけど、その代わり生でも食べられますよ」というわけです。
加熱用牡蠣の特徴
対して、加熱用は実は保健所は一切ノータッチなのです。
どこの海域でとれたかも関係がありません。
水揚げされた牡蠣をそのまま出荷しています。
ということは当然、減菌処理、殺菌処理もしていません。
従って、極端な話ですが、牡蠣がノロウイルスを持っていても原則出荷OKなのです。
ですから、「加熱用」として出すんですね。
「絶対、生では食べてはいけませんよ」と警告をしているわけです。
加熱する時は、原則中心温度90度を90秒以上加熱すること!が必要です。
中心温度が90度になってから、90秒以上加熱するということです。
これを踏まえた上で、しっかりパッケージから出す前に、それが生食用であるか、加熱用であるかしっかり把握してください‼
両方買ってきてしまった場合は、分けて保管してください。
パッケージに入っているうちは安心ですが、
出してしまうとどっちがどっちか見分けは付きません!
絶対に混ぜてはいけません!!
加熱用を生で食べてしまうと、かなりの確率で「あたり」です。
「あたる」んです(;^_^A
気を付けましょう!
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加熱用牡蠣の下処理は必要?
基本的に牡蠣は「加熱用」であろうと「生食用」であろうと、下処理は必須です。
生食用は、先の章でもお話した通り、保健所の厳しい検査をクリアした優等生なので、殺菌洗浄されてるなら下処理いらないかと思いがちです(;^ω^)
ですが、保健所はあくまで菌を死滅させただけなので、
牡蠣に付いている汚れを落とすまではしていません。
それは付いていても土とか埃なので、直接問題ない汚れですからね。
加熱用も同じく、検査さえしていない訳ですから汚れ落としなんて手間をするはずがありません。
ですから、
加熱用も、生食用も、どちらも、下処理は、絶対、必要です‼
牡蠣の下処理方法
では、牡蠣の下処理の方法をご紹介しましょう。
下処理に使われるものは、一般的に以下のようなものが用いられます。
・塩 ・小麦粉 ・片栗粉 ・大根おろし…などがあります。
全部を使うわけではなく、どれか1つでOKです。
牡蠣の下処理 塩
塩を使って洗う方法が一番簡単な方法です。
1:牡蠣のむき身をザルにあけ水切りします。
2:ボウルに水を入れ、塩を溶かします。
3:水切りした牡蠣を塩水を入れたボウルに入れます。
4:まずは指で全体をゆすって洗い、優しくかき混ぜます。
5:牡蠣を1つ1つ手に持ち、優しく牡蠣全体を撫でるようにして細かいところの汚れを落としていきます。
6:時々、水に浸しながら水が汚れてきたら水を替え、もう一度4と5を繰り返します。
水が綺麗になったらザルに開けて完了!
牡蠣の下処理 小麦粉又は片栗粉
多くの人は、小麦粉や片栗粉を使う時に塩も一緒に使っていますので、ここでも塩を一緒に使った場合でご説明します。
そして洗い方はどちらを使っても同じですので、小麦粉を使った場合と片栗粉を使った場合を想定して読んでください。
1:ザルに牡蠣のむき身を開け、水気を切ったらボウルに移します。
2:塩と小麦粉又は片栗粉を入れて、指で軽くかき混ぜます。
3:2に水をヒタヒタくらいに入れて、優しくかき混ぜます。
4:小麦粉又は片栗粉に牡蠣の汚れが吸着するので、水が汚れたら新しい水に替え、水が綺麗になるまで優しくかき混ぜて洗います。
5:水が綺麗になったらザルに開けて水気を切ったら完了!
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牡蠣の下処理 大根おろし
大根は、大根おろしにして牡蠣の下処理に使います。
1:ボウルに牡蠣のむき身を入れ、大根おろしを入れます。大根おろしの汁も一緒に入れて構いません。
2:大根おろしと牡蠣が馴染むように指で優しく揉み込むように洗います。
3:段々大根おろしが牡蠣の汚れで灰色に変わってきますから、そうなったら水で洗い流します。
4:大根おろしを全部洗い流したら完了!
どの方法もとても簡単ですよね?
ポイントは洗う時にあまり力を入れ過ぎないことです。
特に生食用は身が痩せているので、あまり力が入っていると身が切れたり潰れる可能性があります。
牡蠣の下処理のプラスアルファ
牡蠣の下処理には、塩、小麦粉、片栗粉、大根おろしなどが使えるとお話しました。
もう1つ、牛乳を使った下処理の方法があります!
下処理というか、これは小麦粉や片栗粉などを使って洗った後にプラスアルファですると良いです。
やり方はとても簡単です。
牛乳を牡蠣がヒタヒタになるくらいまで入れて、30分浸しておきます。
あまり長くは浸さないようにします。
牛乳だと味がマイルドになり、牡蠣が苦手な人でも割と抵抗なく食べられると思いますよ。
牡蠣の美味しいレシピ
鍋物にするとか、蒸し焼きにしたり、フライにしたり、はよく知られていると思います。
ここでは「あ、こんな食べ方もあるのね?」という珍しいレシピをご紹介します。
酢牡蠣
「材料」
・生食用牡蠣…100g~
・三杯酢…酢=大さじ3 ・醤油=大さじ1 ・砂糖=大さじ1 ・塩=小さじ1/2
・付け合わせ…もみじおろし、万能ねぎ=適量
「作り方」
1:下処理を終えた牡蠣を三杯酢と合わせて、冷蔵庫で30分ほど寝かせます。
こうすることで、三杯酢の味が牡蠣によく染みて身がぷりぷりとした食感になって美味しいです。
2:寝かせた酢牡蠣を冷蔵庫から出し、付け合わせにもみじおろしや万能ねぎを散らしていただきます。
もみじおろしは、大根おろしに一味唐辛子を混ぜれば作れます。
牡蠣の佃煮
「材料」
・牡蠣のむき身
・ショウガすりおろし…適量
・砂糖 …20g
・お酒…100㏄
・薄口しょうゆ…60㏄
・水…50㏄
「作り方」
1:お鍋にお酒を入れ沸騰させてアルコールを飛ばします。
2:沸騰したら、砂糖、薄口しょうゆ、水を入れて火力は中火から強火の間くらいにします。
3:下処理した牡蠣を2に投入します。
4:アクが出てくるので綺麗に取り除き、アクがなくなったら火力を弱火にしてすりおろしたショウガを入れます。
5:ショウガのすりおろしが煮汁と馴染んだら中火にします。
6:水分がなくなるまで煮込んだら完成!
これ1品だけでアツアツのご飯3杯はいただけるかも!
牡蠣のだし巻き卵
「材料」
・牡蠣…上記の牡蠣の佃煮を使います。
・和風ダシ
・生卵
〇分量は人数に合わせて、2人なら玉子3個、3人なら玉子4個くらいが丁度いいと思います。
「作り方」
1:和風だしと生卵を混ぜ合わせます。
2:たっぷりの油をフライパンに流し、よく馴染ませます。
3:和風だしと合わせた生卵をフライパンに流し入れ焼きます。
4:牡蠣の佃煮を卵の手前に横一列に入れます。
5:4を芯にして卵を手前から巻いていきます。これを残りの卵を入れながら繰り返し、焼けたら出来上がりです。
あとは包丁を均等に3回切り込みを入れて、だし巻き卵4個にして断面を上にして器に盛ります。
牡蠣の佃煮の濃い味と卵の優しいだしの味、そして卵のふわっとした食感に牡蠣のコリコリした食感が合わさって絶妙な味わいです。
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まとめ
いかがでしたか?
牡蠣はよく食べられている割には、意外と正しい下処理の仕方や料理の仕方が分からない人は多いです。
大事なのは、牡蠣の下処理がきちんとできていればどんな料理もとても美味しく出来上がるものです。
それでは、忘れてならないポイントをおさらいしてみましょう!
・生食用牡蠣…保健所が指定している海域で育てられ、減菌処理、殺菌処理をしている牡蠣なので、身が痩せていて水っぽいが、生でも食べられる!
・加熱用牡蠣…どこの海域でも関係なく水揚げされ、何も殺菌処理せずそのまま出荷されているので、生ではあたる可能性が高いため、絶対に生で食べてはいけない!
・加熱用牡蠣を加熱する時は、中心温度が90度になってから90秒加熱をすること!
・牡蠣の下処理は、加熱用も生食用どちらも必ずすること!
・下処理に使えるものは、塩、小麦粉、片栗粉、大根おろしなどが使える!